住宅のインスペクションについてご存じでしょうか。
中古住宅を購入する前に、住宅に不具合がないかどうか確かめておきたい方もいらっしゃるでしょう。

そこで今回は、中古住宅のインスペクションの基礎知識とメリット、インスペクションを利用する時期ごとの特徴をご紹介します。
中古住宅の購入を検討している方は要チェックです。

 

□中古住宅のインスペクションとは？

 

インスペクションとは、既存住宅状況調査技術者登録講習を修了した建築士が、第三者の立場から住宅の劣化状況や欠陥の有無、改修が必要な箇所やその時期、費用の見積もりなどを見極める検査です。

家を売る人がインスペクションを行う目的としては、住宅の状態を把握して適切な価格を設定すること、住宅の状態に問題がないことを担保して売却しやすくすること、引き渡し後の買主とのトラブルを避けることが挙げられます。

買主が購入前にインスペクションを行う場合は、インスペクションの結果を、住宅を購入するかどうかの判断材料にできます。
結果が良ければ購入意欲も高まり、購入後も安心して住めるでしょう。

 

□中古住宅のインスペクションのメリットとは？

 

インスペクションには、購入するかどうかの判断材料になったり、購入後のトラブルを回避できたりするメリットがあります。
ここでは、中古住宅のインスペクションのメリットを4つご紹介します。

 

＊第三者からアドバイスをもらえる

 

インスペクションは専門的な知識を持った建築士が行うため、第三者からのアドバイスをもらえます。
知識がないと修繕が必要かどうか判断できない場合もあります。
専門家から住宅の状況について適切なアドバイスをもらえる貴重な機会を活用しましょう。

 

＊欠陥住宅を購入するリスクを回避できる

 

インスペクションは基本的に非破壊検査ですが、サーモグラフィや超音波を使うことで、目に見えないところまで検査でき、今ある欠陥や将来的に欠陥になりそうな箇所を見つけられます。
購入前にそれらを知ることで、欠陥住宅を購入するリスクを減らせます。

 

＊入居後のトラブルを防げる

 

入居後に欠陥が見つかってトラブルに発展した場合、責任の所在が不明確になりやすいため、解決に時間がかかってしまいます。
インスペクションを受けることで欠陥が判明すれば、その住宅を購入しない、もしくは売主の責任で直してもらうことが可能です。

 

＊リフォームの計画を立てやすくなる

 

インスペクションを受けることで修繕が必要な箇所がわかるため、修繕計画も立てやすくなります。
事前に修理する箇所を把握していれば、修繕費用を貯めたり、破損の程度が小さいうちに修繕できたりします。

 

□中古住宅のインスペクションを利用する時期ごとの特徴をご紹介！

 

インスペクションを受ける時期は定められていませんが、タイミングによって一長一短があります。
ここでは、インスペクションを利用する時期ごとの特徴をご紹介します。

まず、物件の申し込み前でもインスペクションを受けられます。
インスペクションの結果に基づいて売主と交渉することをお考えの方もいらっしゃるかもしれません。

 

しかし、購入希望者が複数人いる場合、どの買主を選ぶかは売主の自由のため、断られる可能性が高くなります。
そのため、インスペクションのタイミングとしては適していないでしょう。

物件を申し込んでから契約するまでのタイミングが、最もインスペクションに適しています。
不具合が見つかった場合でも、契約前のため、購入をキャンセルすることが可能です。
不具合の修繕を売買契約に入れたり、修繕できない不具合であれば売買価格から値引きしてもらえたりします。

 

契約後でも、売主側で不具合が見つかれば直してもらえます。
売主の契約不適合責任の期間は、売主が個人の場合は3ヵ月、売主が宅地建物取引業者の場合は引き渡しから2年以上が一般的です。

引き渡し後3ヵ月間の間のインスペクションについては、売買契約の条件をしっかり確認しましょう。
一般的に、雨漏りやシロアリ被害、給排水管の故障などは引き渡しから3ヵ月間、キッチンや浴室、洗面所、トイレなどの主要設備が引き渡しから7日間が売主の責任範囲です。

引き渡しから3ヵ月を超えると、基本的には売主へ責任追及できなくなります。
主要構造部や主要設備の不具合が発覚しても、売主側で対応する義務はありません。
このタイミングでもインスペクションを行って住宅の状況を把握することは可能ですが、責任追及はできないため、無駄になってしまうかもしれません。

 

□まとめ

 

今回は、中古住宅のインスペクションの基礎知識とメリット、インスペクションを利用する時期ごとの特徴をご紹介しました。
インスペクションを行うことで、物件を購入する前に住宅の状況をしっかり確認できます。
利用するタイミングは物件を申し込んでから契約前の期間がおすすめですが、それぞれの時期のメリットとデメリットを考慮して検討しましょう。