空き家をそのまま放置していると、固定資産税という税金が通常より高額になる可能性があることをご存じでしょうか。
最近では、ニュースでも取りあげられている空き家問題において、固定資産税の問題を抱える所有者が多いです。
どのように対策を行えば良いのでしょうか。
今回は、空き家における固定資産税の対策についてご紹介します。

 

□固定資産税が6倍になる恐れがある

もし所有者が空き家を何もせずに放置していた場合、固定資産税が6倍になることがあります。
全ての空き家がそうなるのではなく、特定空き家に指定された場合に6倍になってしまいます。
倒壊する可能性が高い住宅や、害虫やごみの悪臭で周辺に迷惑をかけている住宅は特定空き家に指定されてしまうでしょう。
ある程度管理されている空き家であれば問題はありませんが、何もせず放置されている場合は、特に注意が必要です。

特定空き家は、空き家対策特別措置法という法律により指定されます。
この法律は、平成27年に、空き家問題の解消を目的として施行されました。
空き家の所有者に対して、自治体が指導を行えるという内容になっています。
管理が行き届いていない空き家に対して、指導を行えるようになったことは、空き家問題解消の第一歩だと言えるでしょう。

近年は少子高齢化の影響で、放置されてしまった空き家が急増したようです。
人が管理していないと、劣化が進み倒壊する恐れや、害獣や害虫の糞による悪臭の原因になってしまいます。
制度ができる前までは、地域や周辺住民の迷惑になってしまっていても、自治体は対策できないという状況にありました。
しかし、空き家対策特別措置法によって、敷地内の調査や所有者に対する指導が可能になり、対策できるようになりました。

 

□特定空き家に指定されないためには

特定空き家に指定されると固定資産税が6倍になることは、お分かりいただけたと思います。
人に管理されていない空き家がそのまま放置されている状況は、自治体としては一刻も早く対処したいことでしょう。
管理状態が悪い場合に、所有している空き家が特定空き家に指定されないようにはどうすれば良いのでしょうか。

基本的には管理状態が悪いだけで、いきなり特定空き家に指定されることはありません。
指定する前に、必ず自治体は所有者に対して助言や指導を行うはずです。
一度も連絡せずに、いきなり特定空き家に指定されることは基本的にはないと覚えておきましょう。

指定されないようにするためには、自治体から受けた助言や指導に対して、適切に対処することが重要です。
何もせずに、そのまま放置してしまうと特定空き家に指定されてしまうでしょう。
しかし、空き家から遠い場所に住んでいる場合は、所有者が適切に対処できないこともあるでしょう。
助言や指導を受けた時に、迅速な対応をとれない場合はどうすれば良いのでしょうか。

遠方に住まれている方は、工事の立ち合いや見積もりの依頼を代行する業者に依頼することをおすすめします。
自治体からの助言や指導を受けた場合、現地での立ち合いや、工事の手配、見積もりの依頼など行うべきことはたくさんあります。
遠方に住んでいると、自分だけでできることには、きっと限界があるでしょう。
どのような管理をすれば良いのか分からない方や、遠方にお住まいの方は、空き家管理の業者に一度相談してみると良いでしょう。

 

□支払いが不可能な場合は

自分が所有する空き家が特定空き家に指定されてしまったにも関わらず、固定資産税を支払えない場合はどうなるのでしょうか。
支払いを請求されて、期限を過ぎてしまうと自治体から催促状が送られてくるでしょう。
その後も支払いがないと、自治体ごとの方法で、さらなる催促が来ます。
後々の調査で、支払い能力があると判断された場合は、財産調査によって財産が差し押さえられるかもしれません。

一方で、生活保護を受けていたり、災害による被害を受けたりしている場合は、支払い能力がないと判断されるでしょう。
このような場合は、一部または全額免除になる可能性があります。
固定資産税は納税額が高いので、返済が厳しいという方は、すぐに自治体に相談するようにしましょう。
自治体から、分割返済などの適切な方法を提案してくれるはずです。

また、固定資産税を支払わなくても良い方法もあります。
固定資産税は、土地や住宅を所有している方に支払いの義務が生じるため、空き家を売却して手放すと、税金を支払う必要はありません。
不動産の売却にはたくさんの手順があり、個人で売却を行うことは困難なため、売却に興味がある方は不動産会社に相談してみることをおすすめします。

 

□まとめ

今回は、空き家における固定資産税の対策についてご紹介しました。
管理状態が悪く、地域や周辺住民に迷惑になる空き家を所有している場合は、注意しましょう。
また、固定資産税の支払いをしなくても良いように、空き家を売却することも検討してみてください。