空き家は劣化してるイメージがあるけど住んでも問題ない？

2020/12/25

日本には放置されている空き家が多く、問題になっています。
そのため、空き家と聞くと劣化していて安心して住めない、というイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、何が原因で空き家は劣化するのか、また安心できる空き家はあるのか紹介します。

□空き家が劣化する原因について

たまにボロボロなって今にも崩れそうな空き家を見かけることはありませんか。
どうして人が住んでいないとあそこまでボロボロになってしまうのでしょうか。
まずは空き家が劣化する原因を見ていきたいと思います。

＊換気が不足している

人が家で生活をしていれば、窓やドアを開けたり、換気扇を回したりするなど、さまざまな場所で換気が行われます。
しかし、人が住んでいない空き家では、そのようなことをする人がいないので換気がされません。
そうなると、湿気やホコリがたまり、カビや害虫の温床となってしまいます。
柱や床に侵食したカビやシロアリによって、どんどん建物が蝕まれていき、ボロボロの見た目をした空き家となってしまうのです。

＊給排水管やガス管が劣化する

長期間使用されずに放置された給排水管やガス管は、管の内側に付着したヘドロや異物の乾燥・硬化によって、ひび割れまたは破損しやすい状態になっています。
また、管自体に異常が見られなくとも、実際に使用を再開すると不作動を起こす可能性が高いと言われています。

＊修繕されない

人が住んでいれば、雨漏りやひび割れが発生したときに何らかの処置がされます。
しかし、人が住んでいなければ異常な箇所があっても、当然何も修繕されません。
雨漏りによって一度建物内に水が入ると、建物の建材がどんどん腐食していき劣化速度は加速していくでしょう。

これらが原因で空き家は劣化していきます。
このようなことを聞くと空き家の購入に対して抵抗がでてくるでしょう。
しかし、これらが起こるのはあくまでも放置されている場合です。
手入れがされている空き家は安心して購入できるので、次はその点について見ていきましょう。

□安心して空き家を買うためには

ここまでで放置された空き家が劣化する原因を見てきました。
劣化してしまった空き家が多いのは事実ですが、全ての空き家が劣化しているわけではありません。
安心して空き家に住みたいというニーズに応えてくれる安心R住宅というものがあるので紹介します。

安心R住宅とは、耐震性や耐久性があったり、建物状況調査が行われていたり、リフォームに関する情報提供が行われたりしている既存住宅のことです。
中古である空き家の「不安」「汚い」「わからない」といったマイナスイメージを払拭して、既存住宅の流通を促進するために、平成30年4月から開始されました。
安心R住宅は不動産情報サイトや広告、国土交通省のホームページに掲載されているので、そちらから探せます。
では安心R住宅はなぜ安心なのかをもう少し具体的に見ていきましょう。

まずは何によって「不安」を解消しているのかを見ていきます。
安心R住宅は「昭和56年6月1日以降に建築され、現行の建築基準法の耐震基準に適合している」、「それ以前に建てられた場合は耐震診断によって安全性が確かめられた」などの要件を満たしています。
その他にも、既存住宅売買瑕疵保険の検査基準に適合しているので、安心R住宅は基礎的な部分で安心な住宅だと言えるでしょう。

「汚い」というイメージを払拭するためにはどのようなことを行っているのでしょうか。
事業者団体ごとに「住宅リフォーム工事の実施判断の基準」が定められているので、基準に合致したリフォームが実施されています。
またリフォームがされていない場合は、物件の購入者に費用に関する情報を含んだリフォームの提案書を渡し、要求に応じてリフォーム事業者の斡旋を行っています。
購入前に外装や内装などの現況の写真を見られることも、購入者の持つ「汚い」イメージを払拭することに寄与していると言えるでしょう。

最後に「わかりにくい」を「わかりやすい」にするためには、どのようなことをしているのか紹介します。
住宅は目に見えない情報を数多く持っているのをご存知ですか。
例えば、建築時の情報や保険または保証に関する情報、省エネルギーに関する情報、維持保全の状況に関する情報などです。
広告時にこれらの情報を書面で交付し、詳しい情報を開示しているので、購入者は安心して購入できます。

安心R住宅は、既存住宅を新しい住まいの選択肢に入れてもらうために様々な工夫がされています。
新しい住まいを検討している方は是非一度、安心R住宅について調べてみてください。