日本では新築の人気が強く、新しい住まいを探すときに中古住宅よりも新築住宅をイメージする人が多いです。
しかし、中古住宅である空き家をリフォームするメリットがあるので、今回紹介したいと思います。

 

□空き家をリフォームすることについて

まずは、空き家をリフォームすることのメリットをご紹介します。
しかし、メリットだけでなくデメリットも存在するので、この2つを順に確認していきましょう。

まず、値段が新築に比べて安いという、おそらく多くの人が思い浮かべるメリットがあります。
新築で購入するには手の届きそうにない家も、空き家となると価格が下がるので購入しやすくなります。
低予算で購入できるので、その分浮いた費用をリフォームに回せて、結果としてお手軽に新築並みに綺麗な家を手に入れられるでしょう。

また、空き家をリフォームするメリットとして補助金を受けられることが挙げられます。
既存住宅の性能向上や子育てしやすい環境等の整備のための優良なリフォームを支援する「長期優良住宅化リフォーム推進事業」だけでなく、使うエネルギーと発電するエネルギーとがほぼ同じであるネット・ゼロ・エネルギー・ハウス（ZEH）を取得、または改修する場合に補助金が交付される「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス（ZEH）支援事業」もあります。
これらの他にも、住宅の二酸化炭素の排出量を抑えてエネルギー消費効率の改善と低炭素化の促進を目的としており、住宅の省エネルギー化を図るリノベーションを行った際に補助金が交付される「高性能建材による住宅の断熱リフォーム支援事業」などのさまざまな制度が用意されているので、ぜひ一度ご自身でチェックしてみてください。

さらに、周りの生活環境がわかりやすいこともメリットとして挙げられるでしょう。
既に建っている空き家なら、周りの生活環境をリサーチできます。
静かなのか賑やかなのか、人通りはどれくらいなのかなど、家が建つ前では知れない情報を知れるのはメリットと言えるでしょう。

空き家をリフォームする際のデメリットとしてまず挙げられるのは、やはりダメージを受けていることでしょう。
雨風の影響が大きくなりやすい日本では、築年数が経過していればいるほど家全体は傷んでいきます。
メリットのところでは、空き家は安く購入できると述べました。
しかし受けているダメージが大きい場合は多額の修繕費がかかり、新築で購入するくらいに経済的負担になるかもしれないので要注意です。

また、耐震性が低いというデメリットも考えられます。
1981年に新築基準の大改正が行われて、住宅の耐震基準がより厳しくなりました。
つまり、1981年以前に建てられた空き家は今建てられているものよりも耐震性が低い可能性があるので、購入の際はきちんと確認しましょう。

 

□空き家をリフォームする際の注意点

ここまで、空き家をリフォームした際のメリットとデメリットについて見てきました。
次は、空き家をリフォームする際に注意すべきことについて紹介します。
注意点を把握して、無駄な費用や時間を費やさないようにしましょう。

まず、空き家の状態に注意しましょう。
建材の状態や天井、扉などの目に見える部分から、屋根裏や水道管のような目に見えない部分も丁寧に確認して細かくチェックすることをおすすめします。
そうすることで、最大でどの程度の費用が必要になってくるのかを把握できます。

また、耐震性にも注意しましょう。
既に述べましたが、1981年を境に耐震基準が変更されています。
空き家の管理者に確認を取ったり、不動産業者に相談したりすることをおすすめします。

 

□安心R住宅を活用しよう

空き家のような中古住宅に対する不安を払拭するために、国土交通省の告示により創設された制度があります。
それは「安心R住宅」という制度です。
空き家に対して定められた一定の基準を満たせば「安心R住宅」として認められて、広告で安心R住宅の標章マークを付けられるという仕組みになっています。
この標章マークは国に登録した宅建業者や工務店などが調査やリフォーム工事を行った物件のみに付与されるので、信頼度は高いと言えるでしょう。

空き家に対する主な不安としては、「耐震性や雨漏りに対する不安」「内装や外装が汚くないか」「買主が十分な情報を得られるのか」などがあります。
安心R住宅では、これらの不安を解消するために管理規約や長期修繕計画の書類があるかを確認したり、リフォームに関する提案書の提出が行えるようになっていたりしており、他にもさまざまな情報を買主が知れるようになっています。
空き家のような新築住宅であっても、構造がしっかりしており管理が行き届いている物件であれば新築住宅と変わりなく住めるでしょう。

 

□まとめ

今回の記事では、空き家をリフォームすることのメリットとデメリット、さらに安心R住宅という制度があることを紹介しました。
補助金や安心R住宅制度のようなサービスを上手く活用し、ご自身に合った物件選びをより安全かつ快適に行っていきましょう。
本記事が、空き家をリフォームしようとしている方の参考になれば幸いです。